開業の条件・資金・手続きから、訪問看護師として働くメリットまで
厚生労働省のデータによると、訪問看護ステーションの数は全国で15,000ヶ所を超え、年々増加し続けています。高齢化の進展と「在宅医療」の推進により、訪問看護の需要は今後もさらに拡大すると見込まれています。
この流れを受けて、「訪問看護ステーションを開業したい」という看護師や、「訪問看護師として転職したい」という看護師が増えています。このガイドでは、開業を考えている方と就職を考えている方の両方に役立つ情報をまとめました。
神奈川県西部では、高齢化率が県平均を上回る地域もあり、訪問看護のニーズが高まっています。小田原市、秦野市、平塚市などでは新規開設のステーションも増えており、訪問看護師の求人も増加傾向にあります。
| 要件 | 内容 | 詳細 |
|---|---|---|
| 人員基準 | 看護職員 常勤換算2.5人以上 | うち1人は常勤の管理者(保健師・看護師) |
| 設備基準 | 事業所として使用する施設 | 事務室、相談室、感染防止の手洗い設備など |
| 運営基準 | 指定申請・届出の完了 | 都道府県知事への指定申請が必要 |
| 費用項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 法人設立費用 | 10万〜30万円 | 株式会社・合同会社・NPO法人など |
| 事務所の賃料・敷金 | 50万〜100万円 | 立地・広さによる |
| 設備・備品 | 50万〜100万円 | PC、電子カルテ、医療機器など |
| 車両(リース含む) | 50万〜150万円 | 訪問用の車両(2台以上が理想) |
| 人件費(3ヶ月分) | 300万〜500万円 | 収入が安定するまでの運転資金 |
| 合計 | 500万〜900万円 | 融資や補助金の活用も検討 |
「開業はまだ考えていないけど、訪問看護に興味がある」という方のために、訪問看護師として働くメリットを紹介します。
訪問看護は基本的に日勤のみの勤務で、夜勤はありません。オンコール当番はありますが、実際に呼び出されるのは月に数回程度のステーションが多いです。残業も比較的少なく、子育て中の看護師にも人気です。
病院では複数の患者を同時に受け持ちますが、訪問看護では1人の利用者に30分〜1時間じっくり向き合えます。「この人の生活を支えている」という実感が持てるのは訪問看護ならではの魅力です。
訪問先では看護師1人で判断・対応する場面が多いため、自分のスキルと判断力を存分に発揮できます。先輩の目を気にせず、自分のペースで看護を提供できることにやりがいを感じる方が多いです。
日勤のみにもかかわらず、オンコール手当を含めると年収420万〜500万円が見込めます。病棟の夜勤ありと比較してもそれほど遜色ない水準です。
| 経験年数 | 月収目安 | 年収目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1〜3年目 | 26万〜30万円 | 380万〜440万円 | オンコール手当含む |
| 4〜7年目 | 29万〜35万円 | 420万〜500万円 | 経験に応じて昇給 |
| 管理者 | 33万〜42万円 | 480万〜600万円 | 管理者手当込み |
始められます。ただし、訪問先では1人で判断する場面が多いため、臨床経験3年以上が望ましいとされています。未経験者向けの研修制度が充実したステーションもあるので、教育体制を重視して選びましょう。
法人の代表者は看護師でなくても開業可能です。ただし、管理者は保健師または看護師であることが法律で定められています。看護師以外が開業する場合、信頼できる管理者の確保が最初のハードルとなります。
ステーションによって大きく異なります。月に4〜8回程度のオンコール当番で、実際に呼び出されるのは月1〜3回程度のところが多いです。面接時に「オンコールの頻度と実際の出動回数」を必ず確認しましょう。
日本政策金融公庫の創業融資、自治体の創業支援補助金、信用金庫の融資などが主な調達手段です。訪問看護は社会的ニーズが高いため、事業計画がしっかりしていれば融資が受けやすい傾向にあります。