燃え尽き症候群の原因を理解し、自分に合った職場環境を見つけるために
バーンアウト(燃え尽き症候群)とは、仕事に対する意欲やエネルギーが極度に消耗し、心身ともに疲弊した状態を指します。看護師はバーンアウトのリスクが特に高い職業の一つとされており、日本看護協会の調査では、看護師の約3割がバーンアウト傾向にあるという結果が出ています。
バーンアウトは「甘え」や「根性がない」のではなく、過度なストレスが継続することで起こる心身の反応です。早期に気づき、適切な対策を取ることが重要です。
慢性的な人手不足による過度な業務量、長時間の残業、十分な休憩が取れない勤務環境が、バーンアウトの最大の原因です。特に急性期病院では、患者の重症度が高く、常に緊張状態が続くことで心身への負担が蓄積します。
不規則な勤務シフト、特に夜勤は生体リズムを乱し、睡眠の質を低下させます。慢性的な睡眠不足は判断力の低下や感情のコントロール困難を引き起こし、バーンアウトのリスクを高めます。
看護師は患者さんやご家族に常に「笑顔」で「優しく」接することが求められます。自分が辛い時でも感情をコントロールし続けるこの「感情労働」は、目に見えない大きなエネルギー消費です。
先輩・後輩関係のストレス、医師との関係、チーム内での軋轢など、閉鎖的な環境での人間関係の問題は、バーンアウトの大きな要因です。特に「指導」の名目で行われる厳しい対応が、若手看護師のバーンアウトを加速させることがあります。
医療ミスが許されない緊張感、患者の死への対峙、急変時の対応など、命に関わるストレスは他の職業にはない看護師特有の負担です。特に終末期ケアや救急医療の現場では、このストレスが蓄積しやすくなります。
転職でバーンアウトから回復するためには、次の職場選びが非常に重要です。以下のポイントを参考にしてください。
離職率が高い職場は、何らかの問題を抱えている可能性があります。全国平均の看護師離職率は約11%です。これを大きく上回る施設は注意が必要です。面接時に離職率や平均勤続年数を質問することで、職場の実態が見えてきます。
「残業なし」と求人に書いてあっても、実際にはサービス残業が常態化している職場もあります。面接時に「月平均の残業時間」「前残業(情報収集のための早出)の有無」を具体的に確認しましょう。
プリセプター制度、メンター制度、定期的なスーパービジョンの有無を確認しましょう。スタッフの悩みを聞く仕組みがある職場は、バーンアウト予防への意識が高いと言えます。
7:1看護体制の病院であれば、比較的余裕を持った看護が提供できます。看護補助者の配置状況も重要で、看護師でなくてもできる業務を分担できる体制があるかどうかも確認しましょう。
通勤時間が長いと、休息の時間が削られます。神奈川県西部は都心に比べて通勤時間が短く、自然も豊かで、心身のリフレッシュがしやすい環境です。生活環境の改善もバーンアウト対策として効果的です。
| 職場タイプ | バーンアウトリスク | 特徴 |
|---|---|---|
| 急性期病院(大規模) | 高い | 忙しいが教育体制は充実 |
| 回復期リハビリ病院 | 低め | 急変が少なく、ゆったり |
| クリニック(日勤のみ) | 低い | 規則的な生活リズム |
| 訪問看護 | 中程度 | 自律性高いが孤独感あり |
| 介護施設 | 低め | 医療行為は少なめ |
バーンアウトの程度によります。日常生活に支障が出ているレベル(不眠、食欲不振、抑うつ状態など)の場合は、まず休養を取ることを優先してください。心療内科の受診も検討しましょう。ある程度回復してから転職活動を始めた方が、冷静な判断ができます。
環境が原因のバーンアウトであれば、転職で大きく改善する可能性があります。ただし、働き方の癖(完璧主義、頼めない性格など)が原因の場合は、環境を変えても繰り返す可能性があります。転職と同時に、自分自身の働き方も振り返ることが大切です。
「バーンアウトで退職しました」と直接的に伝える必要はありません。「より自分の看護観に合った環境で働きたいと考えた」「ワークライフバランスを見直したいと考えた」など、前向きな表現に言い換えましょう。ネガティブな退職理由をポジティブな転職動機に変換することが大切です。
仕事とプライベートの境界を明確にすること、十分な睡眠を確保すること、信頼できる人に気持ちを話すこと、趣味や運動でリフレッシュすることが効果的です。また、「完璧でなくていい」「助けを求めてもいい」と自分に許可を出すことも重要です。