転職タイミングで、結果は大きく変わる
「転職したいけど、今のタイミングでいいのだろうか」。看護師の転職相談で最も多い悩みの一つがこのタイミングの問題です。実際、転職の時期によって求人の質と量は大きく変わり、同じスキルの看護師でも入職時期によって年収に差が出ることもあります。
この記事では、看護師の転職に最適な月、経験年数別のベストタイミング、ボーナスを最大化する方法、退職の伝え方まで、タイミングに関するすべてを網羅します。「いつ動くか」を戦略的に考えることで、転職の成功率は格段に上がります。
看護師転職に最適な月はいつ?
結論から言うと、看護師の転職活動を始めるベストな月は1月と7月です。これは、多くの医療機関が4月入職と10月入職を採用のピークとしているため、その2〜3ヶ月前から求人が増加するからです。
4月入職を狙う場合(最もおすすめ)
4月は年度の切り替わりで、最も多くの看護師が入れ替わる時期です。新卒の入職に合わせて研修体制が整っており、中途採用者にとっても馴染みやすい環境が用意されます。
- 転職活動開始:前年12月〜1月
- 応募・面接:1月〜2月
- 内定・退職手続き:2月〜3月
- 入職:4月1日
10月入職を狙う場合(第2のチャンス)
10月は下半期のスタートで、4月に次いで求人が多い時期です。4月入職と比べて競争が少なく、じっくり選べるメリットがあります。
- 転職活動開始:6月〜7月
- 応募・面接:7月〜8月
- 内定・退職手続き:8月〜9月
- 入職:10月1日
月別の転職市場動向カレンダー
12ヶ月の求人動向と転職活動のポイントを一覧にまとめました。
| 月 | 求人数 | 転職市場の動き | この月にやるべきこと |
|---|---|---|---|
| 1月 | 多い | 4月入職向け求人が本格化。年末年始に転職を決意した人が動き出す | 情報収集開始、紹介会社に登録 |
| 2月 | 非常に多い | 4月入職のピーク。好条件の求人が最も多い時期 | 応募・面接。退職意思を上司に伝える |
| 3月 | 多い | 駆け込み求人あり。退職者の補充で急募が出る | 退職手続き、引き継ぎ、入職準備 |
| 4月 | やや少ない | 入職シーズン。新体制が始まり求人は一時的に落ち着く | 新しい職場に集中。転職活動中なら継続 |
| 5月 | 少ない | GW明けに退職を考え始める人が出る。求人はまだ少ない | 情報収集、自己分析。焦って動かない |
| 6月 | やや多い | 夏のボーナス後の退職を見越した求人が出始める | 10月入職に向けた転職活動開始 |
| 7月 | 多い | 10月入職向け求人が本格化。ボーナス支給後に転職決意する人が増加 | 紹介会社に登録、求人比較 |
| 8月 | 多い | 10月入職のピーク。夏季休暇中に面接を組みやすい | 応募・面接。退職意思を伝える |
| 9月 | やや多い | 10月入職の駆け込み。急募求人が出やすい | 退職手続き、引き継ぎ |
| 10月 | やや少ない | 下半期スタート。求人は一時的に落ち着く | 新しい職場に集中 or 1月に向けて準備 |
| 11月 | 少ない | 年末に向けて落ち着く時期。じっくり情報収集に向く | 自己分析、希望条件の整理 |
| 12月 | やや多い | 冬のボーナス支給後、4月入職向け求人が出始める | 紹介会社に登録、年明けに備える |
穴場の時期:5月と11月
求人数自体は少ないものの、ライバルも少ない時期です。人気施設の欠員補充が出ることがあり、競争率が低いため好条件で入職できるケースもあります。「求人が多い時期=ベスト」とは限りません。
経験年数別の転職ベストタイミング
「何年目で転職するのがベストか」という問いは、多くの看護師が抱える疑問です。経験年数によって転職市場での評価が変わるため、タイミングを意識することが重要です。
1〜2年目:基本的に転職は推奨しない
臨床経験1〜2年での転職は、一般的にはおすすめしません。基本的な看護スキルが身につく前の転職は、次の職場でも苦労する可能性が高く、面接でも「なぜこんなに早く辞めたのか」と必ず聞かれます。
ただし、以下の場合は例外です。
- 心身の健康を損なうレベルのハラスメントやパワハラがある
- 違法な長時間労働が常態化している
- 明らかに安全でない医療体制(人員不足による危険な夜勤体制など)
自分の健康と安全を守ることが最優先です。上記に該当する場合は、経験年数に関係なく転職を検討してください。
3年目:最初の転職チャンス
臨床経験3年は、看護師の転職市場で最初の「売り時」です。基本的な看護スキルが身についており、まだ若いため新しい環境への適応力も高い。即戦力として期待されつつ、育成の余地もあるとして、多くの施設が歓迎する経験年数です。
- 市場評価:高い。特に急性期から慢性期・クリニック・訪問看護への転職に有利
- 年収交渉:前職の年収+10〜20万円が狙える
- 注意点:「3年で辞めた」と見られないよう、前向きな転職理由を用意する
5年目:キャリアチェンジの好機
5年目は「一通りの経験を積んだ中堅」として最も市場価値が高い時期の一つです。リーダー経験、プリセプター経験、夜勤リーダーなどの実績があれば、さらに評価が上がります。
- 市場評価:非常に高い。どの分野でも即戦力として期待される
- キャリアの幅:管理職候補、専門分野への転向、訪問看護の立ち上げメンバーなど選択肢が広い
- 年収交渉:前職と同等以上が十分狙える。管理職ポジションなら大幅アップも
- 注意点:「このまま今の病院にいたら何年後にどうなるか」を冷静に考えた上で判断する
10年目以降:専門性を武器にする
10年以上のベテランは、専門性と管理能力が評価されます。認定看護師や専門看護師の資格を持っている場合は、さらに転職市場での価値が高まります。
- 市場評価:専門性次第で非常に高い。管理者採用で年収大幅アップの可能性
- 狙い目のポジション:訪問看護ステーション管理者、クリニック主任、教育担当
- 年収:管理者ポジションなら500〜600万円も現実的
- 注意点:年齢によっては「前の職場のやり方に固執しないか」を見られる。柔軟性をアピール
「辞めたい」と思った時が転職時?判断基準チェックリスト
「辞めたい」という感情は、必ずしも「今すぐ転職すべき」というサインではありません。一時的な感情なのか、構造的な問題なのかを見極めることが大切です。以下のチェックリストで、自分の状況を客観的に評価してみましょう。
転職を真剣に検討すべきサイン
- 3ヶ月以上「辞めたい」という気持ちが継続している
- 日曜日の夜に翌日の出勤を考えると体調が悪くなる
- 職場の人間関係で、改善の努力をしても変化がない
- 給与が3年以上ほとんど上がっていない
- キャリアアップの道がこの職場では見えない
- 夜勤が体力的に限界で、回復に時間がかかるようになった
- 患者さんのケアに十分な時間を取れず、やりがいを感じられない
- ライフイベント(結婚、出産、介護)で働き方を変える必要がある
もう少し様子を見てもいいサイン
- 新しい部署に異動したばかりで、まだ3ヶ月以内
- 特定の1人との人間関係だけが問題(異動や配置換えで解決の可能性あり)
- 繁忙期の一時的なストレスで、閑散期には気持ちが落ち着く
- 転職先に求める条件が具体的にまとまっていない
- 「隣の芝は青い」的な感情だと自覚がある
判断のコツ
「辞めたい理由」ではなく「転職して何を実現したいか」を考えてみてください。「今の職場が嫌だから辞めたい」だけでは、次の職場でも同じ不満を感じる可能性があります。「こういう働き方がしたい」「こういうスキルを身につけたい」という前向きな動機があれば、転職は成功しやすくなります。
転職活動のスケジュール:退職申出から入職まで
看護師の転職活動は、開始から入職まで平均2〜3ヶ月かかります。逆算して計画を立てることが重要です。
標準的なスケジュール(4月入職の場合)
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 12月 | 情報収集開始 | 紹介会社に登録、希望条件の整理、求人の比較 |
| 1月上旬 | 求人選定・応募 | 3〜5施設に絞って応募。履歴書・職務経歴書の準備 |
| 1月中旬〜2月上旬 | 面接 | 面接は通常1〜2回。見学を兼ねる場合も |
| 2月上旬 | 内定・条件確認 | 給与、勤務形態、配属先を書面で確認 |
| 2月上旬〜中旬 | 退職意思を上司に伝える | 内定を得てから伝えるのがベスト |
| 2月中旬〜3月末 | 引き継ぎ・退職手続き | 担当患者の申し送り、書類整理、備品返却 |
| 4月1日 | 入職 | 新しい職場でのスタート |
退職に必要な期間
就業規則で「退職の〇ヶ月前までに申し出ること」と定められている場合が多いです。一般的には1〜3ヶ月前ですが、看護師の場合は2ヶ月前に申し出るのがマナーとされています。法律上は2週間前の通告で退職可能ですが、引き継ぎの関係で実務的には2ヶ月の猶予を設けることをおすすめします。
ボーナスを最大化する転職タイミング
転職時に気になるのがボーナス(賞与)の扱いです。タイミングを間違えると、数十万円の損失になることも。ボーナスを最大限に受け取ってから転職する戦略をお伝えします。
一般的なボーナス支給スケジュール
| ボーナス | 算定期間 | 支給月 | 退職を伝える最適タイミング |
|---|---|---|---|
| 夏のボーナス | 10月〜3月の勤務実績 | 6月〜7月 | ボーナス支給後(7月上旬〜中旬) |
| 冬のボーナス | 4月〜9月の勤務実績 | 12月 | ボーナス支給後(12月下旬〜1月) |
ボーナス戦略のポイント
- 退職の意思表示はボーナス支給後に:「退職予定者にはボーナスを減額する」という規定がある施設もあるため、支給日以降に伝えるのが安全
- 算定期間のフル勤務を確認:算定期間の途中で退職した場合、日割り計算になることがある
- 就業規則のボーナス条項を確認:「支給日に在籍していること」が条件の場合が多い
- 次の職場のボーナス:入職1年目は満額支給されないケースが多い。転職初年度の年収は前年より下がることを織り込んでおく
ボーナスの具体例
冬のボーナス(12月)を受け取ってから1月に退職意思を伝え、3月末退職→4月入職。この流れが、ボーナスを最大化しつつ4月入職を実現する「王道パターン」です。
退職を伝えるタイミングと伝え方
「退職をいつ、誰に、どう伝えるか」は、円満退職の鍵を握ります。
退職を伝える適切なタイミング
- 内定を得てから:転職先が決まっていない段階で退職を伝えると、引き止めに遭いやすく、精神的にも不安定になります
- 繁忙期を避ける:年末年始、GW前後、お盆前後は避け、比較的落ち着いている時期に伝える
- 勤務シフト確定前:翌月のシフトが確定する前に伝えると、職場への影響を最小限に抑えられます
退職の伝え方
最初に伝える相手は直属の上司(師長)です。同僚や先輩に先に話してしまうと、上司の耳に噂として入り、心証が悪くなります。
- 場所:個室(師長室、面談室など)で1対1
- 時間:業務が落ち着いている時間帯。「お時間をいただきたいのですが」と事前にアポを取る
- 伝え方:「ご相談があります」ではなく「お伝えしたいことがあります」。相談にすると引き止めの余地を与えてしまう
- 退職理由:正直に伝えすぎず、前向きな理由を主軸に。「新しい分野にチャレンジしたい」「家庭の事情でこのエリアでの勤務が難しくなった」など
引き止めへの対処法
看護師は慢性的な人手不足のため、引き止めに遭うことが非常に多いです。「異動を考える」「給与を上げる」「夜勤を減らす」などの条件提示をされることもありますが、一度退職の意思を固めたなら、毅然とした態度で臨みましょう。条件改善を口約束されても、実現されないケースが少なくありません。
年度途中の転職は不利?メリット・デメリット
「転職は年度末(3月)でないとダメ」と思い込んでいる看護師は多いですが、実際には年度途中の転職にもメリットがあります。
年度途中に転職するメリット
- ライバルが少ない:4月入職に比べて応募者が少なく、好条件の求人を獲得しやすい
- 即入職できる:「すぐに来てほしい」という急募求人は、条件交渉がしやすい
- 少人数での丁寧な研修:4月入職のように大人数ではなく、マンツーマンで教えてもらえることが多い
- 精神的な負担が軽い:「年度末まで耐えなきゃ」と我慢し続けるストレスから解放される
年度途中に転職するデメリット
- 求人の絶対数は少ない:4月と比べると選択肢が限られる
- 退職金が減る可能性:在籍期間が中途半端になると、退職金の計算で不利になることがある
- 「年度途中で辞めた」という印象:次の面接で理由を聞かれる可能性(ただし、合理的な理由があれば問題なし)
- 有給消化が難しい場合がある:人員補充が間に合わず、引き継ぎ優先で有給が取れないことも
結論:年度途中の転職は「あり」
「年度末まで待つ」ことで心身を壊してしまっては元も子もありません。年度途中でも、理由が明確で計画的な転職であれば、マイナス評価にはなりません。重要なのは「いつ辞めたか」ではなく「なぜ転職したか」と「引き継ぎを丁寧にしたか」です。
神奈川県西部の求人が増える時期
神奈川県西部エリア(小田原市、平塚市、秦野市、南足柄市など)には、地域特有の求人動向があります。
クリニック求人のピーク
開業医が多い神奈川県西部では、クリニックの看護師求人は年間を通じて安定しています。特に1月〜3月はスタッフの入れ替わりが多く、求人が増加します。院長の年齢が高いクリニックの承継(後継者への引き継ぎ)に伴い、新体制でのスタッフ募集が出ることもあります。
訪問看護ステーションの求人動向
神奈川県西部では、新規の訪問看護ステーション開設が年3〜5件ペースで続いており、オープニングスタッフの募集が通年で見られます。オープニングスタッフは、既存の人間関係がないため新しい環境を作りやすく、転職者にとって魅力的です。
病院求人の特徴
小田原市立病院や湘南地域の総合病院では、4月と10月の定期採用が中心です。ただし、急な退職者が出た場合は随時募集があります。神奈川県西部の病院は東京・横浜エリアに比べて競争率が低いため、希望する病院がある場合は直接問い合わせるのも有効です。
季節要因:観光地エリアの特殊性
箱根町や湯河原町のリハビリテーション施設や老健では、観光シーズン前(3月、9月)にスタッフ増員の求人が出ることがあります。また、これらのエリアは通勤の不便さから人手不足が慢性化しており、好条件の求人が出やすい傾向があります。
転職活動中にやっておくべき5つの準備
1. 職務経歴書を充実させる
看護師の転職では、職務経歴書が重要です。経験した診療科、担当患者数、取得した技術(CV管理、人工呼吸器管理、化学療法など)、委員会活動、プリセプター経験などを具体的に記載しましょう。
2. 譲れない条件と妥協できる条件を明確にする
「年収○○万円以上」「夜勤なし」「自宅から30分以内」「土日祝休み」など、希望条件をすべてリストアップした上で、「絶対に譲れないもの」と「妥協できるもの」に分けておきましょう。全条件を満たす求人は存在しないため、優先順位を決めておくことが重要です。
3. 現職の有給残日数を確認する
退職前に有給休暇を消化する権利は法律で保障されています。転職活動中に面接日を確保するためにも、有給残日数を事前に把握しておきましょう。
4. 転職先の情報を徹底的に調べる
求人票の情報だけでなく、実際の働き方や職場の雰囲気を知ることが大切です。見学を申し込む、紹介会社を通じて内部情報を聞く、口コミサイトを確認するなど、複数の情報源から判断しましょう。
5. 資金計画を立てる
転職初年度はボーナスが満額支給されないケースが多いため、年収が一時的に下がることがあります。退職から入職までのブランク期間の生活費も含め、最低3ヶ月分の生活費を確保しておくと安心です。
まとめ:最適なタイミングは「準備ができた時」
看護師の転職ベストタイミングは、市場的には1月(4月入職)と7月(10月入職)です。しかし、最も重要なのは「あなた自身の準備ができているかどうか」です。
タイミングを待ちすぎて心身を壊してしまっては意味がありません。逆に、準備不足のまま焦って転職しても、「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性があります。
大切なのは、この記事で紹介した情報を参考にしながら、自分なりの「ベストタイミング」を戦略的に設計することです。経験年数、ボーナス、求人動向、自分の気持ち。これらを総合的に判断して、最適な時期に動き出しましょう。
ナースロビーでは、転職タイミングのご相談から承っています。「今動くべきか迷っている」という段階でも、お気軽にLINEでご連絡ください。手数料10%だから施設にも負担が少なく、あなたにとって最適なタイミングでの転職をサポートします。